アニメ版『精霊』の中でも、ひときわ異色であり問題作でもあり。原作に思い入れがある人ほど、違和感と反発心が大きく出るかもしれない内容になってます。
初見時は『人を斬らず業を斬る』『山月記になぞらえて、人の罪深さを描いてる』と深く考えましたが、二回目の今日は、もっと単純に、カルボと言う鏡を通して、バルサの業を映し出したにすぎない、案外シンプルな話ではないかと思いました。
「『殺さずの誓い』と言う、一見美しい言葉に芯を通すため、バルサはどれほど汚く卑怯な手を使ってきたか」を炙り出す過程は、過去のバルサが決して綺麗事だけで生きて来た人間でないと示し。
カルボと対峙することで、己の醜さを直視し『何のために生き残るのか』を掴み取った、つまり、バルサの『チャグムを守ると言う行為』の純度をより高めるための、避けては通れない精算の過程だったんだなーと思うのです。
うわ、こんな話を提示してきたのかーと、そりゃもう驚きでした。驚くと言うことは、ある意味、この若いスタッフをどこかで見くびってた自分がいるのですよ。
「人間の紡ぎ出す行動は、理屈と理性だけでは決して割り切れないものがある。そして、理性で感情をコントロール出来ると思ってる間は、何一つコントロール出来ない」と言う真理を、実は分かってるんだなと。
その割り切れない心の形を描き出したスタッフの力量に、感服さえしたものです。ええ、したものです(笑)
…なんで過去形かって? 次を見たら分かりますよ(=w=
次回はトロガイばーちゃんがインディ・ジョーンスばりに大活躍するお話です。おばーちゃんの最後の『選択』に、あなたはきっと爆笑しますw
| ジェネオン エンタテインメント 発売日:2007-12-21 | | |
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