『なぜ、と問うても分からない何かが、突然、自分を取り巻く世界を変えてしまう。その大きな手の中で、もがきながら、必死に生きていくしかないのだ。誰しもが、自分らしいもがき方で生き抜いていく。全く後悔のない生き方など、きっとありはしないのだ』(小説より)
| ジェネオン エンタテインメント 安藤麻吹(俳優)安達直人(俳優)辻谷耕史(俳優)真山亜子(俳優)浅野まゆみ(俳優)広橋涼(俳優)麻生我等(デザイン)神山健治(監督)上橋菜穂子(原著) 発売日:2007-10-24 | | |
| Amazy |
公式ページ 、タガ役とスン役の声優さんインタビューに爆笑。「女装のスンと夫婦役での出演がなかったのが残念」「夫婦姿は狩人が主役になった第2部があれば是非!」って! わははははははは。
でも、狩人主人公で番外編は是非見たいものです。今になって思えば、彼らが主人公で、まるまる一話使っても良かったのではないかと。「何故狩人が存在するのか」あたりに絞って、彼らの強さが、どれだけのものかを現すためにも。諜報戦は拝ませてもらったけど、バルサ以外の人対人での武力戦を、もっと見たかったな。
とまあ、いきなりかっ飛ばしてしまいましたが(笑)
実は、
先ほどもアップしたのですが…語りたいのに未だ言葉が出てきません。
ポジティブシンキングのスタンスで、感想を垂れ流してきた(笑)26回。
アニメに限らず、映画とかの感想を書く時、自分なりのルールで「〜して欲しかった」を禁句にしています。特に原作付きの映像化作品の場合、どうしても無い物ねだりの恨み言になってしまいがちなので。「〜して欲しかった」と使って、楽しい文章が書けるほど、表現力はないんですね、ほら、上の文章がいい例でしょ?(^^;
が、書いてないだけで、実は細かい不満や穴は一杯あります。特に25話はしみじみつくづく、かえすがえす惜しいのですが。でも、それでも見続けた訳は「エンドタイトルが出た瞬間、自分の心の中に立ち上がるものが何なのかを知りたい」と言う思いがありまして。もし、それが「がっかり」とか「残念」であれば、遠慮なくぶっちゃけようと思っていました。
そして今日、最終回を見て…そこにあるのは、いつまでも立ち上り続ける暖かい余韻でした。さっき書き込んだよに、「終わったことが信じられない」気持ちでいっぱいです。
原作完全準拠ではありません。卵の立ち位置が大きく変わり、自然との関わりも、上橋さんの描く世界と大きく離れました。
でも、少なくとも、『精霊の守り人』で神山さんが描きたかった、人と人との繋がり、『守ること』の真価は、確実に、十二分に伝わったのではないか。人間を描きたかったニメ版『精霊の守り人』は、確実に、チャグムという少年の成長を描き、バルサと言う人間の苦闘を追い、ジグロと言う男の生き様を浮き彫りにできた。それも、原作より暖かく強い形で。
この話に、悪人はいません。その代わり善人もいない。それぞれが、それぞれに置かれた立場や思惑で動き、たまたま合致しただけ。チャグムやバルサの暗殺を命じた帝も、国の平安を重視したまでのこと。「善も悪もない、人間の物語」。それが、精霊の守り人でした。
形は大きく変わったが、原作の、最も大切なもののひとつを受け継ぎ、新しく紡いだ。そういう意味で、このアニメは大成功と言っても、過言ではありません。
まだまだ言葉に出来ません。余韻に浸るのとも、また別のものです。でも、形にならずとも、冒頭に挙げた原作の一文を読み返す時、なぜかアニメのシーンが思い出されて涙が出ます。きっと、何かを受け取ったのでしょう。それがどんな形になっていくのか、時間をかけて、ゆっくり見定めたいと思います。
ご静聴ありがとうございました。最後のツッコミ、まいります。