そんな訳で、喜代美と草々がめでたく結婚の運びとなりました『ちりとてちん』。
寝床での草々との大喧嘩、「落語家なんか、ならんかったら良かった」発言で波乱を呼んでます。まあ、眉をひそめられて当然ですな。年季明けを祝ってくれる人の前で、そんなこと言うたら顰蹙は当たり前ですもん。でもなんだろ、これらに関して「うわー、お行儀のいい人から反感喰らうな」とは思ったけど「恋する娘としちゃ、まあ考えられる行動ではあるわな」と思う自分がここに。感情の弾みで口走ったこと、本気にする価値はないでしょ。
余裕無くなるんですわ。恋したら(笑)
特に初めての恋で、しかも片思いで、相手が何考えてるのか分からない、自分でもどうしていいのか分からない状態の時は。回りが見えない、八方塞がり、あの人は自分の気持ちを分かってくれない、いい子の振りしても、余裕がないから心から微笑むことが出来ない。もーあっぷあっぷ(笑)
後で思い返したら、周囲の見えなさっぷりに赤面もの。自分一人であがいてただけだと、周囲の人に平謝りしたくなるもんなんですが。
というか、まだ22,3の娘じゃん。大人と呼ぶにはほど遠いし。あのシーンで、周囲に気を遣って大人な言葉遣いする喜代美の方が気持ち悪いわ(笑)。多少の迷惑も、時が経てば味のあるエピソードになる(…まあ、迷惑の質にもよるけどね)。いいんじゃないですか? 寝床の常連さんなら、数年経って「あん時の喧嘩、おもろかったなあ」と酒のアテにして、からっと笑い飛ばしそうだしね。小さいことだと気にしない気がします。
余談だけど、あのシーン、自分が一番気になったのは草若師匠です。言い争いを止めず、じーっと二人をみつめて、最後に「年季が明けるまで、恋愛禁止やで」の一言を投げて帰る。ちなみに喧嘩のシーンは大晦日で、除夜の鐘が鳴り終わったら喜代美の年季が明けると設定でした。…つまり、「年季が明けたら、好きにしいや」と言ってるようなもんで。
やっぱり、粋な大人やなって思う。
黙って見守って、時々ぼそっと本質を突く言葉を投げかける。人間観察の達人なら、四草がおるんやけど。草若師匠はさらに『見守る』温かさがある。この域に達するには、どんだけ人間としての修行が必要なんだろう…とぞ、思う(笑)