ここ最近、急速に、TRPGに対する興味が薄れている。人間関係で鬱陶しいことがあっても、続けていけた趣味なのに。
まるで、気持ちのどこかに穴が開いたようで、どんなに空気を送り続けても膨らまず、どんどんしぼんでいくようだ。
「戦士は所詮、肉壁」
この言葉を聞いて以来、心の支えみたいなものが、ごっそり抜けた気がする。
チャットで見かけた、それぞれの職種の役割の中で語られた、その一言。
データ重視数値至高で、余分な言葉が殺ぎ落とされたものだと分かってはいるものの。
マニュアル化された考えと、行きすぎた役割分担を押しつけられる思いで、息が詰まった。
私の使うPCの技能は、戦士メインなのだけど。最近サークルの風潮が、攻撃の主体はマジックユーザー、戦士は壁さえしてればいいと言わんばかりの流がはっきり見えてるようで、とても嫌な気持ちがする。
壁役になることが嫌だ、ということじゃない。前衛の仕事は後衛を守ることだし、直接攻撃でダメージを与えて敵を排除することではあるのですが。
「戦士は所詮、肉壁」
と言われた瞬間、喩えは大げさだけど、尊厳みたいなのを踏みにじられたのかなあと、漠然と思う。
確かに私はロール重視のプレイスタイルで、数値のことはよく分からない。というか、さっぱり理解できない。
けど、分からないなりに数値の駆け引きを楽しんでたんだと、改めて思った。ロールだけが楽しいんであれば、演劇や小説を書く方向に進んでただろうし、そもそもダイスを振りたいなんて思わないしなあ。
訴えたところで、「私がロール重視なプレイスタイルだから、そういう部分が不足してるから不満を抱くのだろう」としか判断できないだろう現実が見えて、それがまた悲しい。
過去、私にTRPGの楽しさを教えてくれた人は、数値データを熟知した上で、そんなことは一言も言わなかった。マスタリングやロールプレイの考え方を、いろいろ語ってくれただけだったし、何より、自分の正しさを押しつけることはしなかった。
困ったことにそれ以来、TRPG全体に対する興味が、急速に薄れていくことを実感してる。システムを変えたところで、所詮前衛は前衛以上の役割を期待されてないし、それ以上でも以下でもないと言う気持ちが払拭できない。
「TRPGはデータや数値だけじゃない。ロールがあるじゃないか」と言われても、嬉しいと思える気持ちも見失っている。
『戦士は所詮、肉の壁』
その考え方は、正しい。だけど、心が冷えて仕方がない。