今号のイブニングの話。
前者は『よんでますよ、アザゼルさん』に登場する悪魔。後者は『モテキ』に出てくる女性。どっちも、女のドロドロした陰部の具現化したキャラです。双璧と言っていいんじゃねえかと(笑)
『アザゼルさん』のアンダイン恵は職能:嫉妬の悪魔。魔界じゃあんなに儚げで美人なのに、召喚されたらただの魚w ウザイ台詞のひとつひとつがクリティカルヒットですw
「どうして引き留めないの…」
「それは本心じゃないわよ!」
「読みなさいよ!」
「私の心を読んで、全てにおいて私の満足させる正解の行動を取りなさいよ!」
「どうして男の人って そんな簡単なことも出来ないの!?」
誰も出来ませんから!
こうも堂々と言い切れるアンダ姐さん。さすが悪魔、いっそすがすがしささえありますわ。『アザゼルさん』の作者は、男も女も不細工描かせたら天下一や思いますw
『モテキ』の小宮山夏樹は、まあ、結論から言えば誰とでもやっちゃう女です。同性に嫌われるし異性友達も遠ざかるタイプの人間を、こんなにもさらっと描き切ってるコミックは初めて観るので、それがかえって新鮮というか。
男が「女とやりたい!」と言うギラギラしたものとは全く別の次元で、関係を持ってしまう感じかなあ。「恋人より男友達が欲しかった」「セックスはそんなに好きじゃない」と言いながら、酒が入ると男友達に対して、友情と性欲の駆け引きを無邪気にやってしまう。人間が他人に対して本来持つ、『敷居』や『壁』が無いと言うか。ある意味、試したがりというか、ものすごい子供、なのかなあ。
話題にしたこの号では、まあエグイ角度で錐もみ急降下・超絶鬱展開と言われるんだろうなあって感じで進んでます。
『モテキ』は、絵が好みなので読んでますが、一言で言えば『完璧な人間が居ないと、こんなドラマになるんだな』と思ってます。
みんな自分に自信が無かったり、相手に過剰に期待したり、自立してるようで、どこかで他人に都合良く甘えていたり、自分に言い訳していたり、自分の至らなさを他人や状況に責任転嫁してたり。10年若かったら、ここに登場するキャラ全員にキレまくったと思う。「お前は結局、どうしたいんじゃあああ!」って(笑)。
(ただ一人、例外的に林田はスカッとする人物に見えるけど、彼女は傍観者だからってのもあるね。あくまでも、人生のセンパイ[同い年だけど、人生経験的に]として口を挟む立ち位置なんだよねえ。だから欠点が見えないのよ)
それが今では、『フジくん全然普通の男の子じゃん』と思える自分が、枯れたと言うか何というか(苦笑)。フジくん自分に自信が無くて、すぐ鎖国しちゃうヘタレだけど。でも、そういうとこ、誰もあるんじゃないかなあって思える年になったなあ。
あと、女性作家ってのもあるかな。男にとって都合の良い女が出てこないし、それでいて男が読んで身悶えする話が描けるのはすげえと思う。4巻で終わりということは、実はクライマックスらしいんだけど。結局、フジくんはどうなって、お話はどこへ着地するんだろうってところです。