といいつつ、最近の脳内ヘビロの曲(笑)
この日記を書き始めた段階で、はやぶさと地球の距離は18万km。月と地球の真ん中ぐらいまで、近づいている。
ぐーぐる先生のTOPを飾って、新聞やテレビで取り上げてくれ日を、誰が想像しただろうねえ、はやぶさ。
↓ニコ動ライブは今夜10時からだよ
かくいう私も、05年の冬、はやぶさの通信が途絶えた小さなニュースに、「ああ、やっぱりだめか」と思った口だった。「よくがんばったね、でも遠くだから仕方ないね」。この『仕方ない』が、NASAとかに比べてどこかナメてたんだと、今になって思う。それから後、通信が復活したニュースに、心底「すげえええええ!」と驚愕した。「日本の宇宙工学も、捨てたもんじゃないなあ」と。
『地球外の天体から、岩を持ち帰る』サンプルリターン計画。NASAなら1000億出すプロジェクトだそうだ。対して『はやぶさ』は約100億ちょっと。ロケット打ち上げ込みで、この値段。探査ロボット『ミネルバ』なんか、メーカーや研究者の持ち出しで、やっと造り上げたそうだ。
充分な試験や実験に回る余裕は無い。ほとんど全てがぶっつけ本番。一発勝負で、100%の成功を求められる、それは奇跡に近いと川口PMは語る。
失敗だけがセンセーショナルに取り上げられる世の中。数限りない失敗から学ばなければ、ここまで辿り着くことが出来ないことを、観る側は忘れがちになってしまう。
☆
イトカワの石を地球へ運ぶ大気圏突入用のカプセルを造ったのは、下町の町工場の5人のおじいちゃんだ。惑星間航行速度のまま突入するため、カプセルの表面温度は一万度にもなると言う。その高音に耐えられるものをと、おじいちゃん達は造り上げた。
はやぶさとは関係ないけど、十何年も前に観たニュースで、やっぱり下町の町工場のおばちゃんが造る部品が、NASAのロケットの重要部分を担ってるって紹介してた。ベテランのおばちゃんは「指先の『ピリッ』とした感じで、出来不出来が分かる」と、笑いながら言ってた。世界最先端、ミクロン単位の精度が、おばちゃんの『ピリッ』で左右される。
世界の宇宙工学を支える、下町のおっちゃんおばちゃん。
まさに技術立国。恐るべし、日本。
『クローズアップ現代』で、的川氏は「低予算だからこそ全体を把握でき、全員がはやぶさのことを共有することが出来た」「予算が多かったら、失敗していたかもしれない」と冗談まじりで語っていた。
本心は逆だろう。予算が多く付けば、もっと早く帰還も適っただろうし、当初の計画だった『カプセル投下後は、地球を周回しつつ次の旅路に備える』ことだって出来たのだから。
「はやぶさで経験したことの全ては、純国産。メーカーも、はやぶさの成果を持って世界の市場へ打って出ることもできる」そう語る的川氏は、どんな想いではやぶさを支え続けたんだろう。
週刊新潮で「『はやぶさ』がまだ計画段階だった頃、なかなか認可が下りず、そのうちにアメリカがスターダスト計画を実行、彗星のサンプルリターンを成功させたことが、とても悔しかった」と語る川口PM。
ああ、この人達はただの夢見る子供でもないし、ガチガチの研究者でもないんだ。
自分達がどんな研究をし、その成果が日本にもたらす利益を理解して、その為にどんな苦渋も屈辱も飲み込めて、穏やかに語ることができる、本当の意味の大人なのだ。
そして、『反骨の人々』なのだと思った。
「逆境に挫けず、決して諦めず、共に手を取り合い、困難をひとつひとつ乗り越えて、最期は使命を果たして散っていく」。まるで一本の映画のような、はやぶさと『彼』を支えた人々の物語。これがノンフィクションだって言うから困る。
『魂実装済み』と称されるはやぶさ。「かつて、これほど愛された探査機があっただろうか」と言う人もいる。
その彼も、今、内之浦を通過した。
地球帰還まで、あと7時間。
願わくば、『帰還』が無事に成功するように。
そして、『はやぶさ2』に、彼の遺志と、はやぶさに携わったすべての人々の『想い』が継承されますように。
↓動画をいろいろまとめてみた。
ホントは日を分けて少しづつ乗せたかったんだけど、書きたいことがまとまらなくて結局こんな形にorz